パートだと思って舐めましたね 【第6話】 フロアが止まったあの日

夜のコピー室。吉田課長が古い見積りの控えをカバンに隠すのを、直美は見てしまった。

宮原専務がフロアを歩き直美の机の前で深々と頭を下げるシーンの漫画 夜のコピー室で吉田課長が見積りの控えをカバンに隠すシーンの漫画 課長は改竄を知って握りつぶしたと確信し古い名刺に電話するシーンの漫画
「北和フーズの宮原専務がお見えです」の内線に社内がざわつくシーンの漫画 社長が転がり出て課長が揉み手で続くも専務は応接室に入らないシーンの漫画 専務がいちばん地味な机の前で止まり「お久しぶりです」と告げるシーンの漫画
フルネームで正しく呼ばれ名前の重さをかみしめる直美のシーンの漫画 「お願いがあって参りました」の一言にフロアの時間が止まるシーンの漫画 「なんでパートのおばさんに」と坂口が間の抜けた声を上げるシーンの漫画 「この方をそう呼んでいるんですか」と専務が静かに怒るシーンの漫画
次の話へ 【第7話】 肩書きはパートのまま 「前職は大手商社の事業再生統括。100億の負債を3年で黒字に戻した方です」——専務の言葉に全員の目が直美に集まる。

パートだと思って舐めましたね 【第6話】 フロアが止まったあの日 のあらすじ

夜のコピー室。吉田課長が古い見積りの控えをカバンに隠すのを、直美は見てしまった。改竄を知り、保身のために証拠を握りつぶした——構図は固まった。その夜、彼女は古い名刺の番号に電話をかける。三日後、北和フーズの宮原専務が来社。応接室に入らず、フロアをまっすぐ歩いて直美の机の前で深々と頭を下げた。「パートのおばさん。この方をそう呼んでいるんですか」。

ここまでのあらすじ(第1話〜6話)

【第1話】 専務が頭を下げた相手 その日、会社の空気が止まった。大手取引先の専務が、フロアでいちばん地味な机——事務パートの直美に深々と頭を下げたのだ。半年前まで「パートのおばさん」と呼ばれていた私に、なぜ。話は半年前にさかのぼる。お茶くみと雑用の毎日、名前も覚えない自称エースの坂口、彼のごきげん取りが仕事の吉田課長。見下される日々の先に、何が待つのか。

【第2話】 数字を読んでしまった目 「丸く収めてよ」が口ぐせの吉田課長に雑用を押しつけられる日々。ある日、坂口が投げてよこした最大手・北和フーズ向けの見積書に、直美の手が止まる。原価より安い売値——売るたび赤字になる数字の違和感を、彼女は黙って頭の引き出しにしまった。給湯室では唯一名前を呼んでくれる京子さんが「あなた、ただのパートじゃない気がする」と微笑む。その直感は、正しかった。

【第3話】 冤罪と桜色のブローチ 月末、北和フーズへの発注書で桁違いの大事故が起きる。作ったのは坂口。それを見ていた直美が証言しても、課長は「記憶だけでは決められない」と握りつぶし、罪は京子さんにかぶせられた。一週間後、京子さんは退職届を出す。「あなたは負けないでね」——桜色のブローチがロッカーの前で揺れて、消えた。翌日、坂口の毒の一言が、直美の中の何かを変える。

【第4話】 この会社は年を越せない 「その言葉、そっくりあなたに返る日が来る」——静かな予告を胸に、直美は夜の会社で古い名刺を見つめる。北和フーズ専務・宮原博。まだ、その時じゃない。京子さんが去ってから、彼女は週に二度ファミレスで会社の決算書を読みはじめた。売上は三年連続減、借金は半年で詰まる。この会社は年を越せない。そして語られはじめる、直美が封印した過去とは。

【第5話】 取引停止、最後通告の朝 「会社を残してくれてありがとう」——自分が切られたのに頭を下げたあの人の顔が忘れられない。数字で人を切りたくないから、直美はただのパートになった。だが嫌な前ぶれは続く。北和フーズからのクレームを坂口は放置し、年明け、ついに取引停止をちらつかせる通知が届いた。社長は銀行に走り、火をつけた本人は真っ先に逃げ支度。そして直美は、決定的な場面を見てしまう。

【第6話】 フロアが止まったあの日 夜のコピー室。吉田課長が古い見積りの控えをカバンに隠すのを、直美は見てしまった。改竄を知り、保身のために証拠を握りつぶした——構図は固まった。その夜、彼女は古い名刺の番号に電話をかける。三日後、北和フーズの宮原専務が来社。応接室に入らず、フロアをまっすぐ歩いて直美の机の前で深々と頭を下げた。「パートのおばさん。この方をそう呼んでいるんですか」。

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