パートだと思って舐めましたね
1話を読むあらすじ
早川直美・四十七歳。中堅商社マルトミ通商で働く、ごく普通の事務パート——のはずだった。自称エースの坂口や保身だけの吉田課長に「パートのおばさん」と見下され、優しいパート仲間の京子さんは坂口のミスをかぶせられ職場を追われる。だが直美には、誰にも明かしていない過去があった。元・大手商社の事業再生統括。つぶれかけた会社を数字で立て直してきたプロ中のプロだ。見積り改竄、大口取引先の取引停止危機——会社が傾いたその日、大手取引先の専務がフロアで直美に深々と頭を下げる。「あなたにしか頼めません」。舐めていた相手の正体を知った瞬間、社内の景色が一変する。パートのまま会社を再建し、改竄の犯人を静かに追い詰める、痛快職場逆転のスカッと漫画。最後のページで、きっと顔を上げたくなる。
話一覧
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【第1話】 専務が頭を下げた相手 その日、会社の空気が止まった。大手取引先の専務が、フロアでいちばん地味な机——事務パートの直美に深々と頭を下げたのだ。半年前まで「パートのおばさん」と呼ばれてい -
【第2話】 数字を読んでしまった目 「丸く収めてよ」が口ぐせの吉田課長に雑用を押しつけられる日々。ある日、坂口が投げてよこした最大手・北和フーズ向けの見積書に、直美の手が止まる。原価より安い売値— -
【第3話】 冤罪と桜色のブローチ 月末、北和フーズへの発注書で桁違いの大事故が起きる。作ったのは坂口。それを見ていた直美が証言しても、課長は「記憶だけでは決められない」と握りつぶし、罪は京子さん -
【第4話】 この会社は年を越せない 「その言葉、そっくりあなたに返る日が来る」——静かな予告を胸に、直美は夜の会社で古い名刺を見つめる。北和フーズ専務・宮原博。まだ、その時じゃない。京子さんが去っ -
【第5話】 取引停止、最後通告の朝 「会社を残してくれてありがとう」——自分が切られたのに頭を下げたあの人の顔が忘れられない。数字で人を切りたくないから、直美はただのパートになった。だが嫌な前ぶれ -
【第6話】 フロアが止まったあの日 夜のコピー室。吉田課長が古い見積りの控えをカバンに隠すのを、直美は見てしまった。改竄を知り、保身のために証拠を握りつぶした——構図は固まった。その夜、彼女は古い -
【第7話】 肩書きはパートのまま 「前職は大手商社の事業再生統括。100億の負債を3年で黒字に戻した方です」——専務の言葉に全員の目が直美に集まる。再建の指揮を執るなら取引は継続する。あなたにし -
【第8話】 うそは自分から崩れる 「借金は6月から返せなくなります。でも、つぶれません」——ファミレスで書きためたノートを開き、直美は再建の道筋を一つずつ示していく。そして最後に一枚の紙を机の真 -
【第9話】 捨てた仕事、私が拾う 経理に残る書き換え前の写し——逃げ道を断たれた二人は、みんなの前でなすり合いを始めた。それはどんな証拠よりはっきりした自白だった。頭を下げる社長に「顔を上げてく -
【第10話】 桜色のブローチ、再び 三か月後。取引は続き、銀行もうなずき、会社は息を吹き返した。直美はあいかわらず9時から4時のパート。肩書きに「再建担当」が加わっただけだ。五月のある日、駅前のカ -
【第11話】 顔を上げる日をくれた 直美は今日も9時に出社する。お茶も淹れる、コピーも取る、再建の数字も読む。ぜんぶ、ちゃんと名前のある仕事だ。給湯室には京子さんの明るい声。私の名前を正しく呼ぶ人