資格の数だけ時給が上がる国で、シンママの私が見返した 【第3話】 ママも今日から一年生
「資格って何から取ればいいと思いますか」——佳代の勧めは簿記だった。
資格の数だけ時給が上がる国で、シンママの私が見返した 【第3話】 ママも今日から一年生 のあらすじ
「資格って何から取ればいいと思いますか」——佳代の勧めは簿記だった。勉強は高校ぶり、できるだろうかと不安がる美咲に、佳代は「できるかじゃなくて、やるの。やった分は国が数えてくれる」と背中を押す。その夜、娘の陽葵を寝かせてから古い机に向かい、中古の簿記テキストを開いた。最初のページからちんぷんかんぷん。それでも由佳の笑い声を思い出すと不思議と目が冴えた。この小さな机が、いつか親戚を見返す場所になる——だが2月、一通の手紙が美咲を追い詰める。
ここまでのあらすじ(第1話〜3話)
【第1話】 正月に笑われた私 正月の親戚の集まりで、シングルマザーの橋本美咲は従姉の由佳に「子ども抱えて借金って、一生底辺だね」と嘲笑されていた。借金の額、もらえていない養育費——由佳は皆の前で容赦なく切り込み、大人たちは笑うだけで誰も止めない。娘・陽葵の親戚づきあいを守るため、美咲は下を向いて耐える。だがこの借金の半分は、そもそも美咲のものではなかった。話は1年前、金にだらしない夫・拓也との日々にさかのぼる。
【第2話】 時給が上がる法律 「離婚してください。陽葵はわたしが育てます」——夫は借金の半分と6歳の娘を残して消えた。もう男には頼らない、自分で稼いで育てると決めた美咲だが、正月の席では由佳に「高卒で資格なし、あなたにできる仕事なんてない」と夢を見るなと突き放される。悔しさに震えた3日後、パート先の店長・佳代から驚きの話を聞く。この国には、資格を1つ取るたび最低時給が150円自動で上がる法律がある——美咲の武器が、見つかった。
【第3話】 ママも今日から一年生 「資格って何から取ればいいと思いますか」——佳代の勧めは簿記だった。勉強は高校ぶり、できるだろうかと不安がる美咲に、佳代は「できるかじゃなくて、やるの。やった分は国が数えてくれる」と背中を押す。その夜、娘の陽葵を寝かせてから古い机に向かい、中古の簿記テキストを開いた。最初のページからちんぷんかんぷん。それでも由佳の笑い声を思い出すと不思議と目が冴えた。この小さな机が、いつか親戚を見返す場所になる——だが2月、一通の手紙が美咲を追い詰める。